映画評「酋長」

 製作国アメリカ 原題「THE PALEFACE」
 バスター・キートン・プロダクションズ製作 アソシエイテッド・ファースト・ナショナル・ピクチャーズ配給
 監督・脚本・出演バスター・キートン 出演ヴァージニア・フォックス、ジョー・ロバーツ

 ネイティブ・アメリカンに火あぶりにされるキートンだが、防火材を着ていたために助かり、彼らから酋長に祭り上げられる。

 崖から突き落とされるも持っていたローブをパラシュート代わりにして助かるシーン、急斜面を転げ落ちるシーンなど、体を張ったスタントのように見えるギャグがあるが、いずれもロング・ショットで撮影されているため、実際にキートンが行っているのかがわからないのが残念。

 ネイティブ・アメリカンの描き方にいくぶん差別的な部分があるとはいえ、ギャグはところどころ冴えを見せる。特に、酋長に祭り上げられたキートンが、指揮を取りネイティブ・アメリカンが踊り、踊りがあまりうまくない男に指導するギャグがおもしろい。また、逃げようとする白人男性の髪の毛をキートンが刈ろうとすると、カツラだったというギャグもおもしろい。

 とはいえ、キートンの短編の中ではあまり出来のいい方とはいえない。スタントの見せ方、ギャグのアイデア共に物足りなさを感じる。


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