映画評「DANSE MACABRE」

 製作国アメリカ ヴィジュアル・シンフォニー・プロダクションズ製作
 監督ダドリー・マーフィ

 カミーユ・サン=サーンスによって作曲された19世紀の交響詩を映像化した作品。2人の男女が、ある建物に辿り着く。そこに骸骨が現れて女性の命を狙うが、朝の訪れによって助かる。

 骸骨たちが動き出し、「DANSE MACABRE」という文字を形作っていく冒頭のアニメーションがカッコ良い。数分の短編作品で、ストーリーよりもビジュアル的を優先していることがタイトルからも分かる。さらには、男女の演技もバレエそのままであり、そこに二重写しで骸骨が現れて踊り狂う。女性の苦しみが絶頂に達して骸骨がとどめを刺そうとするショットでは、二重写しの骸骨を巨大に映し出して恐ろしさを倍増させている。

 製作会社の名前から想像される、「映像による交響詩」は見事に結実している。音楽つきという条件付きだが、一見の価値あり。