ハリー・フーディーニ 最後の映画製作

 脱出物を得意とした奇術師のハリー・フーディーニは、、映画にも進出していた。「密偵ハラデン」(1923)は、フーディーニが設立したフーディーニ・ピクチャー・コーポレーションで製作された作品である。

 シークレット・サービスの調査員に扮したフーディーニが偽札団を追うという内容で、「シャーロック・ホームズ」の原作者コナン・ドイルへの挑戦とも言われ、ドイルに負けない探偵を生み出そうとしたという。だが、見せ場は貧弱で、フーディーニの映画作りもおざなりだったという。

 フーディーニは映画製作をコントロールするのが面倒になり、この映画を最後に映画界から足を洗い、以後心霊術のトリック暴きへと力を入れていくことになる。