その他のアメリカ映画 1923年

 「冬来りなば」(1923)は、1922年最大のベストセラーとなったA・S・M・ハッチンスンの小説を映画化したもので、イギリスでロケ撮影された。理想主義の主人公が周りから誤解され、妻からさえ疎まれるようになる。病気になった主人公を慰めてくれたのはかつての恋人だったという内容の作品である。パーシー・マーモントの好演で感動を誘う作品だった。

 「兄貴」(1923)は、アラン・ドワン監督、トム・ムーア出演の庶民的な味の作品だった。

 「チート」(1923)は、1915年に早川雪洲をスターにした作品のリメイクであるが、日本人の悪役はインド人に設定が変えられた。

 「風雲のゼンダ城」(1923)は、「ゼンダ城の虜」(1922)の後日談である。愛なき王との生活に退屈したフラヴィア女王が、恋するイギリス紳士ルドルフに書簡を送るが、悪人ルパードがその手紙を横取りするというストーリーである。

 極地探検を撮影した作品も多く撮られていた。探検ものは、劇映画との結合された作品も多く、人々の好奇心を満たすために作られた。この年は、マーティン・ジョンソン夫妻の猛獣狩り映画である「アフリカ遠征」(1923)などが作られている。