映画評「FROZEN HEARTS」

[製作国]アメリカ [製作]ハル・ローチ・ステゥディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]J・A・ハウ [製作]ハル・ローチ

[出演]スタン・ローレル、ジェームズ・フィンレイソン、メイ・ローレル

 1888年の帝制下のロシアが舞台。農民のオラフは、恋するソーニャを巡って伯爵や将軍と争う。

 オリヴァー・ハーディとコンビを組む前のスタン・ローレルは、ソロでコメディ短編に主演していた。その中に、パロディの作品群がある。「二つの旗の下に」のパロディである「熱砂」(1923)のように特定の作品をパロった作品もあれば、「ドタバタ・アフリカ」(1923)のように特定のジャンルをパロった作品もある。この作品は、帝制ロシア時代のメロドラマのイメージをパロった作品である。

 個々のギャグで最も面白かったのは、ローレル演じるオラフと将軍が銃で決闘をするようになるシークエンス。ソーニャが明かりを消して真っ暗になった部屋に発砲の火花が光る。明るくなると、オラフと将軍以外の立会人全員が撃たれて倒れているのだ。

 この頃のローレルの作品を見ると、アクは強くないがしっかりとした相手役をこなしているジェームズ・フィンレイソンに助けられている部分が大きい。この作品もそうだ。