映画評「SOLD AT AUCTION」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ [製作]ハル・ローチ・ステュディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]チャーリー・チェイス [製作]ハル・ローチ [出演]スナブ・ポラード、ウォーレス・ハウ

 オークションの客を騙して買わせるための、やらせ芝居に協力していたスナブ。家の家具を全部売られてしまった男に捕まり、家具をすべて取りもどさなければならないハメに。

 女性がある家の前にバスケットを置いていく。中には赤ちゃんが(ポラードが演じている!)。そして20年以上が経ち、バスケットも家もそのままでバスケット中からポラードが登場するという冒頭のギャグから、クレイジーでハイテンションな20分強の作品となっている。

 自動車や飛行機を使った、スラップスティック・コメディではおなじみのサイトギャグに加えて、ロウソクが消えたりフィルムが溶けていったりといった隠喩のギャグで気絶する様子を見せるといった工夫もされており、この後ローレル&ハーディのコンビ作の監督としても活躍していくチャーリー・チェイスのギャグセンス溢れる演出が見事だ。

 最後は、やっと家具が集まったと思ったら、破産して売らなくなるという展開もバシっと決まっている。主演のスナブ・ポラードも、監督のチャーリー・チェイスも、今では忘れられた存在だが、こうした楽しい作品を残していくれていることに感謝したい。