映画評「CALL THE WAGON」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ [製作]クリスティ・フィルム・カンパニー [配給]エデュケーショナル・フィルム・エクスチェンジス

[監督]スコット・シドニー [製作]アル・クリスティー [脚本]ロバート・ホール
[出演]ニール・バーンズ、シャーロット・メリアム、ベイブ・ロンドン、ジョージ・B・フレンチ、ビリー・ブレッチャー

 恋人メアリーに言い寄る男たちをあらゆる手を使って撃退するディック。ある時、ディックが男を追い返すために、「メアリーは入れ歯で、義眼で、カツラだ」と言っているのを聞いたメアリーは、ディックが言っていた通りのフリをする。

 この後の展開は、逃げ出すために精神に異常をきたしたフリをしたディックを、精神病院の職員がやって来て追い掛け回すというもの。いたずら心が湧き上がったメアリーがディックに電流を流したりして、精神病院の職員の前でおかしな行動を取っているように見せるなど、加速させる工夫が随所にされていて面白い。

 メアリーを演じるメリアムが太めで、ヒロインとしては不適格にも感じるが、単なるヒロインではなくていたずら娘として抜群の働きを見せてくれる。

 ちなみに、主人公が結婚から逃れるために、精神に異常をきたしたフリをするという内容は、後にチャーリー・チェイスが主演した「キツネ狂い(CLAZY LIKE A FOX)」(1926)でも使われている。