映画評「POSTAGE DUE」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ [製作]ハル・ローチ・ステゥディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]ジョージ・ジェスク [製作]ハル・ローチ [撮影]フランク・ヤング [編集]トーマス・J・クライザー

[出演]スタン・ローレル、ジェームズ・フィンレイソン、エナ・グレゴリー、エディー・ベーカー

 自分の写真を恋人に郵便で送ろうとするスタン。だが、うまく書けるペンが見つからずに苦労する。ようやく書いた手紙だが、切手を貼るのを忘れて郵便局の中を探しまわる。日本では極楽コンビと親しまれるコンビをオリヴァー・ハーディと後に組む、スタン・ローレル主演作品。

 後半のアクション・シーンでは、郵便局の集配場を舞台にしており、単純に当時の集配場の様子が分かるだけでも楽しい。手紙の洪水は、まるで他のスラップスティック・コメディにおける水のような役割を果たしている。水であればそこでオチとなるのだが、紙なので乾かす必要もなく次のアクションへと続いていく。

 私の最もお気に入りのギャグは、大量の封書を一括りに縛って渡してくれるのだが、あまりにも多くて物干し竿くらいの長さになった束をわたされるというもの。ここでも、紙が効果的に使用されている。

 冒頭では、現在でも駅などにあるインスタント写真機の、1920年代バージョンを見ることができたりと、当時の風俗を知る楽しさもあり、スラップスティックの楽しさもあり、ローレルの単独主演作の中では、上位に位置する作品だろう。