映画評「MANDARIN MIX-UP」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ [製作]ジョー・ロック・コメディーズ、スタンダード・フォトプレイ・カンパニー [配給]セルズニック・ディストリビューティング・コーポレーション

[監督]スコット・ペンブローク [製作]ジョー・ロック

[出演]スタン・ローレル、ジュリー・レナード

 金持ちの家に生まれたが、ひょんなことからチャイナタウンで育ち洗濯屋として働くサムは、洗濯のトラブルからチャイナタウンの悪漢に命を狙われる。

 野心的な匂いのするコメディだ。冒頭では、ローレルが赤ちゃんのサムを演じている。やんちゃな兄とのやり合いになるのだが、体の大きさも違うため、サムと兄はまったく別に撮影されている。さらには、突如チャイナタウンに舞台が移り、中国人として成長したサムの姿が映し出される。チャイナタウンを舞台にしたコメディは多くあるものの、野心的とはいえ、この作品の出来はあまり良くない。デタラメな漢字が出来を象徴している。

 この作品の製作は、ローレル作品を手がけていたハル・ローチではなくジョー・ロックという人物に代わり、制作会社もロックの会社となっている。結局1926年に再びローチの元に戻ることになるのだが、新天地での意気込みが野心的な匂いにつながっているのかもしれない。だが、残念ながら面白さにはつながっていないのが、残念だ。