映画評「HIGH SOCIETY」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ  [製作]ハル・ローチ・ステゥディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]ロバート・F・マクゴーワン [製作・脚本]ハル・ローチ [脚本]フランク・キャプラ

[出演]チャールズ・A・バックマン、ジョー・コブ、ジャッキー・コンドン、ミッキー・ダニエルズ、ジャック・ギャビン

 叔父といたずら好きの仲間たちとともに貧しいが楽しい生活を送るミッキーは、金持ちの叔母に引き取られることになる。居心地の悪いミッキーは叔父や仲間たちを呼んで、家をメチャクチャにしてしまう。「ちびっ子ギャング」シリーズの1つ。

 「ちびっ子ギャング」シリーズの魅力の1つに、大人のようなことを子どもがやるというものがある。この作品でも、冒頭でジョーが果物屋からリンゴを盗むために大げさな道具を使って見せたりする。だがこの作品は、大人のようなことを子どもがやる部分を極力抑え、子どもたちが家の中をメチャクチャにしてみせるカオスの魅力を押している。

 羽毛が撒き散らかされるシーンでの密度の濃さは見応えがある(羽毛は常に、映画においてスペクタクルを生み出してくれる)し、羽毛だらけになったヨチヨチ歩きのファリーナや犬の姿はそれだけで思わず笑みがこぼれてしまう。決して、「ちびっ子ギャング」の中でも一級の作品ではないかもしれない。だが、子どもが主演する映画の原点に戻ったかのようなハツラツさは見ていて楽しい。