映画評「A CHILD OF THE PRAIRIE」
※ネタバレが含まれている場合があります
[製作国]アメリカ [製作]エクスクルーシブ・フィーチャーズ・インク
[監督]トム・ミックス
[出演]トム・ミックス、ローズ・ブロンソン、エド・ブラディー、ジョン・マローニー
1920年代を代表する西部劇スターのトム・ミックス監督・主演作品。男と駆け落ちした妻と娘を探すトムの物語。勧善懲悪型の話の中に、娘との再会を盛り込む。家を留守にしがちなトムとの関係に寂しさを感じて男と駆け落ちする妻という設定が少し珍しいかもしれない。
痛快なアクションが売りであるミックスだが、この作品では妻に裏切られるという暗い側面を描いている。妻が去ってから14年の月日が経過し、ミックスの思いは募る。だが、演技力に自信がなかったという話を裏付けるように、ミックスの苦悩は演技では表現されず、真っ白になってしまった髪の毛で表現されている。得意のアクションは、若い女性(実はトムの娘)が乗る馬車が暴走するのをトムが止めるシーンくらいだ。
ミックスも、もしかしたらメアリー・ピックフォードのように、明るくて痛快なアクションが売りのキャラクターからの脱却を目指していたのだろうか?監督も務めているこの作品は、そのためのテストだったのだろうか?もしかしたらの勝手な妄想である。