映画評「ソヴィエトのおもちゃ」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]ソ連 [原題]SOVIETSKIE IGRUSHKI [英語題]SOVIET TOYS [製作]ゴスキノ

[監督]ジガ・ヴェルトフ

 食欲と性欲を満たしたブルジョワの心を満たすために、ロシア正教会カトリックの牧師が現れるが何も出来ない。労働者とゴスキノの映画製作者がコンビを組んで、ブルジョワの金を人民の元に取り戻す。

 当時ジガ・ヴェルトフは、ニュース映画「キノ・プラウダ」を製作していたが、この作品はアニメーション映画である。内容は、これからゴスキノの広告映画が人々を教化していく決意表明ともいえるものだ。ソ連政府の標的が宗教界にまで及んでいることは、注目に値する。

 技術的には、いわゆる線画によるアニメーションであり、背景などには配慮されていない。ラストで兵士たちがブルジョワたちを掴まえる展開の後に、形をクリスマス・ツリーのように持っていく強引さには思わず笑ってしまった。


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