「ロイドの人気者」ハロルド・ロイドの最高のヒット作

 平均的なアメリカ人を演じて人気者となっていたハロルド・ロイドは、「ロイドの人気者」(1925)に出演した。田舎から出てきて大学に入学したロイドが、他の学生たちにバカにされてばかりで・・・という内容の作品だで、260万ドルの興行収入というアメリカで喜劇映画最高のヒットを挙げた。ロイドはマネー・メイキング・ランキングに名前が載るようになり、邸宅には100人収容の試写室があるほどまでの人気を得た。ロイドはサイレント期を代表するコメディアンの1人だが、トーキー以後も活躍し、1938年に引退するまでに多くの映画を製作する。

 ロイドについては、ジョルジュ・サドゥールが「世界映画全史」の中で次のように書いている。

ハロルド・ロイドは、チャップリンと同じ厳しさも同じ独創性も持っていなかった。しかし、彼は無愛想で、頑固で、やや意地悪で、粘り強いタイプに興味を持ち続けた。この偽りの天真爛漫さは、ロイドがそれは自分に向いていると考えたがゆえにいつも成功に到達した。そして、群集の中のこの男は、その眼鏡とカンカン帽とでもって、摩天楼なる蟻塚に偶然はまりこんだ一匹の蟻と同じように没個性的であるが特徴的でもあったのである」

ロイドの人気者 [DVD]

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