モンタージュ理論とは?

 「モンタージュ」とは、「組み立て」を意味するフランス語を語源とし、一般にフィルムの編集を意味するが、映画史的には特定の効果を狙う特殊な編集を指すことが多い。一言で言うと、ショットとショットなど、映画の構成要素について効果的な結合法を探求しようとするものである。

 1920年代にソ連のレフ・クレショフ、セルゲイ・エイゼンシュテイン、フセヴォロド・プドフキンによって創生され、国際的な影響を与えた。エイゼンシュテインの「戦艦ポチョムキン」(1925)は、モンタージュ理論が実践された作品として代表的なものである。1926年には、プドフキンが「母」(1926)で実践してみせる。

 撮影対象そのものの存在感や価値にはあまり重きをおかず、観客の心理を特定の方向に誘導する操作性の高いものだったため、第二次大戦後にアンドレ・バザンらによって批判にさらされていく。