シェーストローム、スティルレルを失ったスウェーデン映画界

 ヴィクトル・シェーストローム、モーリッツ・スティルレルという二大監督を失ったスウェーデン映画界だったが、他にも多くの監督たちが活躍した。

 シェーストロームやスティルレルよりも優れたシーンも演出したと評されるヨーン・W・ブルニウスは、大作歴史劇「カール12世」二部作(1925)を監督している。

 多くの監督たちの活躍があっても、スウェーデン映画界は衰退へと向かっていく。やはり、人材の海外への流出が大きかった。スウェーデン最大の映画会社スヴェンスク社は、トラストであるヨーロッパ=コンソルシウムを計画したが挫折している。ドイツのウーファ社は独力でハリウッドで協定を結んでしまい、団結をすることはできなかった。