映画評「FREE TO LOVE」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ  [製作]B・P・シュールバーグ・プロダクションズ 
[配給]アル・リクトマン、プリファード・ピクチャーズ・コーポレーション

[監督]フランク・オコナー  [製作]B・P・シュールバーグ

[出演]クララ・ボウ、ドナルド・キース、レイモンド・マッキー、ハラム・クーリー、ウィンター・ホール

 無罪の罪で2年の刑期を終えたマリーは、無罪と知りながら刑務所に送った判事を撃ち殺そうとするが、判事が反省している事を知る。世話を見させて欲しいという判事の申し出を受けたマリーは、牧師と恋に落ちるが、彼女の過去を知る男が現れる。

 「あれ」(1927)でセックス・シンボルと世界的に名を馳せることになるクララ・ボウだが、この頃は非常に多くの作品に出演していた。「あれ」を思わせるセックス・シンボル的な役柄だけではなく、純真な役柄も演じていた。この作品はその1つである。

 愛する人の名誉のため、濡れ衣を着ることになるという役柄は、他のサイレント映画でも見られるもので決して珍しくない。スムーズではあるが、これといった演出上の工夫もないのは残念。だが、ネコのように大きな目(黒目が縦に見えた)は、ボウの魅力の面目躍如といえる。