映画評「PIE-EYED」
[製作国]アメリカ [製作]ジョー・ロック・コメディーズ [配給]セルズニック・ディストリビューティング・コーポレーション配給
[監督・製作]ジョー・ロック [監督]スコット・ペンブローク [撮影]エドガー・ライオンス
[出演]スタン・ローレル、グレン・キャヴェンダー、セルマ・バーロウ
ナイトクラブで酔っ払ったスタンは、元ボクシング・チャンピオンのオーナーに追い出される。帰り道でも酔っ払って前後不覚のスタンを警官が見つけ、スタンが持っていたオーナーの名刺を元に、送り届ける。
酔っ払い芸はチャールズ・チャップリンの得意芸で、かつてチャップリンと同じイギリスの劇団に所属していたローレルは何らかの影響を受けているのかもしれない。練りに練って作られたチャップリンの「午前一時」(1916)と比較すると、かけられる予算も時間も限られたこの作品の方がギャグは荒い。二重写しを使って複数のスタンを登場させて酔っ払っている状況を表現したり、トロンボーンから出る音をアニメーションで表現したりと映像トリックを使用している点も異なる。
オリヴァー・ハーディと組む前のローレルの作品には物足りないものも多いが、この作品はローレルの酔っ払い芸が堪能できる作品となっている。