映画評「CHASING THE CHASER」
[製作国]アメリカ [製作]ハル・ローチ・ステュディオズ [配給]パテ・エクスチェンジ
[監督・脚本]スタン・ローレル [製作]ハル・ローチ [脚本]ジェームズ・パロット [撮影]アート・ロイド
[出演]ジェームズ・フィンレイソン、ウィリアム・ギレスピー、ヘレン・ギルモア、ジュール・メンデル
夫の浮気を疑う妻は探偵に調査を依頼する。探偵はメイドになりすまし、家に帰ってきた夫を誘惑する。
オリヴァー・ハーディとコンビを組む前のスタン・ローレルが監督と脚本を担当した作品。当時ローレルは、元々在籍していたハル・ローチのスタジオを一旦離れ、独立して短編コメディに主演していた。だが、この作品では、ローチのスタジオのために出演はせずに監督を務めている。主演のジェームズ・フィンレイソンは、ハル・ローチ製作の短編コメディに多く登場し、時折ローレルやハーディの演技を食う活躍を見せた名脇役である。後に「キング・コング」(1933)にも出演するフェイ・レイも出演している。
妻が相談に訪れた事務所で、受付の女性だと思っていたら、急にカツラを取って見せ、実は男性だったというサプライズが光る。だが、スラップスティック色を抑えたフィンレイソンは少し物足りなく、あまり見せ場のない作品のように感じてしまった。