映画評「アンディ・クライドの特殊艇」

[製作国]アメリカ  [原題]WATER WAGONS  [製作]カメオ・コメディーズ  [配給] エデュケーショナル・フィルム・エクスチェンジ

[監督]デル・ロード  [製作]マック・セネット
[出演]マデリーン・ハーロック、アンディ・クライド、シドニー・スミス

 ボートレースに出場することになったドリーと父親だが、競争相手から様々な嫌がらせを受ける。

 キャラクターではなく、スタントや特殊撮影に重きが置かれた作品である。車やオートバイを使った前半のチェイスシーンも見事だが、魚雷に押されて爆走する後半のボートの描写が最大の見どころと言える。随所にアニメーションを使ったギャグ(パンチを食らった男が、マンガのように遠くまで飛ばされてしまうなど)も織り交ぜられており、工夫が感じられる。

 製作に名を連ねるマック・セネットは、1910年代前半から短編コメディを多く製作した、コメディ界の重鎮である。セネットが製作した初期の作品の素朴さ(男2人と女1人がいて争う)と比べると、その変化の度合いが分かるというものだ。