映画評「COCKEYED: GEMS FROM THE MEMORY OF A NUTTY CAMERAMAN」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ [製作]パテ・エクスチェンジ

[監督・撮影]アルヴィン・クネヒテル

 二重写しを使って、見たこともないニューヨークの姿をみせてくれる。当時パテ社は、本編前の添え物としてニュースや紀行ものの短編を制作していた。この作品もその1つ。

 海から摩天楼が浮かび上がってくるように見せたり、積まれた荷物がそのまま空中に浮かんだままなのにトラックが発進してしまったりといったシュールな映像で楽しませてくれる。

 この作品を見て思い浮かべた人物がジョルジュ・メリエスだ。映画草創期にスタジオ内で二重写しなどの映像トリックを効果的に使ってシュールな作品を多く生み出したメリエスの時代は遠くに去り、ニューヨークという大都市と映像トリックを組み合わせた作品が作られているのだが、根本の技術は変わっていない。