映画評「MY STARS」
※ネタバレが含まれている場合があります
[製作国]アメリカ [製作]グッドウィル・プロダクションズ [配給]エデュケーショナル・フィルム・エクスチェンジス
[監督・脚本]ロスコー・アーバックル
[出演]ジョニー・アーサー、フローレンス・リー、ヴァージニア・ヴァンス
映画スターが大好きなヴァージニアに恋するジョニー。次々にヴァージニアの元に届くスターのプロマイドを見て、ダグラス・フェアバンクスやハロルド・ロイドに扮したりして、ヴァージニアの気を引こうとする。
ジョニー・アーサーが扮する「ロビン・フッド」を演じていると思われるフェアバンクスの姿がかなり似ていたり、「ロイドの人気者」のハロルド・ロイドを演じるときは独特なステップを踏んでの挨拶を再現したりと、映画好きの気を引く仕掛けがあちこちにあって楽しませてくれる。だが、この作品を語る時に真っ先に来る名前は、ロスコー・アーバックルだろう。
強姦容疑のスキャンダルから映画界を干されていたアーバックルは、短編コメディの監督をして仕事を得ていた。だが名前を出すことは世間的に許されず、監督・脚本を担当したこの作品でもクレジットされていない。映画の出来とアーバックルの話は直接関係ないが、悲惨な体験をしたアーバックルの作った作品が、映画スターを題材にした明るい作品であることは感慨深い。映画界が嫌いになっていたら、映画スターを扱うことも、明るい作品を作ることもできなかっただろうから。