映画評「メニルモンタン」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]フランス [原題]MENILMONTANT

[監督・製作・脚本・撮影・編集]ディミトリ・キルサノフ [撮影]Léonce Crouan

[出演]ナディア・シビルスカイア、ヨランド・ボーリュー、Guy Belmont、ジャン・バスキエ、モーリス・ロンサール

 両親を殺された姉妹はパリへやって来る。妹が1人の青年に恋をして体を許すが、姉が青年とキスをしている姿を見て姿をくらます。

 フランスで活躍したロシア人の映画監督キルサノフが監督した作品。ストーリーを語るタイプの作品ながら字幕はなく、短いカット割りや印象主義的なショットの集合で見せている。通俗的な内容ながら実験的な作品。ポーリン・ケイルが最も好きな作品に挙げているのも納得できる作品だ。

 セーヌ川が印象深い。川自体は何も変わっていないのに、時に希望を感じさせ、時に絶望を感じさせる。同様にシビルスカイアの演技が、時に喜びを、時に哀しみを静かに感じさせる。