MGM アーヴィング・サルバーグとノーマ・シアラーと結婚と、マーカス・ロウの死

 "空の星よりも数の多い"スターを擁していると宣伝していたMGMで、若き大プロデューサーとして辣腕を振るっていたのがアーヴィング・サルバーグだ。さるバーグは、監督のハワード・ホークス、俳優のジョン・ギルバート、プロデューサーのポール・バーンらとハメをはずすこともあったという。ハンサムで、服装のセンスもよかったサルバーグは、女性たちにモテたらしい。

 そんなサルバーグが、MGMの秘蔵っ子のひとりノーマ・シアラーと結婚している。サルバーグは当時28歳であり、公私ともに充実期を迎えていた。だが、この結婚に対して、ルイス・B・メイヤーは反対だったと言われている。

 一方で、MGMの親会社であるロウズのボスだったマーカス・ロウが、57歳の若さで急死している。後任社長にはニコラス・スケンクが就任したが、MGMのボスであるメイヤーは、ロウとは仲が良かったが、スケンクとは仲が悪かったという。また、実際の支配権を握ったのは金融会社ディロン・リード商会であった。ハリウッドの映画会社の構造が変わっていく一例である。