映画評「24ドルの島:マンハッタン」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ [原題]TWENTY-FOUR-DOLLAR ISLAND  [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督・製作]ロバート・J・フラハティ

 「極北の怪異(極北のナヌーク)」(1922)で世界初のドキュメンタリー作家とも言われる、ロバート・J・フラハティが監督した、ニューヨークを撮影したフィルム。マンハッタンの成り立ち(インディアンからオランダが24ドルで購入し、後にイギリスによってニューヨークと命名される)が最初に字幕と絵で説明された後に、1927年当時のニューヨークの姿を映し出す構成になっている。

 遠景と近景を巧みに織り交ぜ、摩天楼と言われるニューヨークの高層ビル群と、それぞれに凝らされた意匠を切り取っている。私が最も面白かったのは煙だ。ビルからも、船からも、多くの煙が立ち上っている。撮影されたのは冬だろうか?今とは使用される燃料が違ったのだ。