映画評「闇の手品」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]日本  [製作]本庄映画研究所

[監督 脚色]鈴木重吉  [原作]八木祐鳳

[出演]三田村次郎、相澤三、高森正二

 両親が借金で苦しんでいる少年は、ある夜、謎の男から大金を預けられる。少年は、預かった金の一部を使って借金を返そうとする。

 「何が彼女をそうさせたか」(1930)で知られる鈴木重吉が監督した作品。独立プロダクションが製作した道徳劇である。二重露出を多用した心理表現などに工夫されている点がある。少年を演じている三田村次郎の凛々しい表情も、道徳劇にはぴったりだ。この作品以外に、三田村の名前を見ることがないのが残念だ。