写真 複製

 複製についてどういうことかというと、もはやデジカメでしか写真を撮ったことがないという世代も現れているであろうが、フィルムのカメラの経験のある人は簡単にわかってもらえるだろう。ネガがあってポジがある。あれである。カメラはネガ(陰画、普通の写真とは逆に明るいところは暗く、暗いところは明るい)を撮影し、ネガを露光させることでポジティブ(陽画、みんなが知っている普通の写真)が出来上がるという仕組みとなっている。そのためにネガがあれば、いくらでも複製ができるのだ。今のカメラはそうなっているのだが、「タゲレオタイプ」は直接ポジにあたるものを銀版にやきつけるため、複製は出来なかったのだ。
 これが映画にとってなぜ重要かと言うと、映画は基本的に同じものをいろんなところにいながらにして見ることができるということが特徴の1つだからだ。もしも、1回の撮影でフィルムが1回しか作ることが出来なかったとしたら、映画は別の発展をしたことだろうし、そもそも発展すらしなかったかもしれない。