リュミエール社作品集(3)
「軽食をとる小さな子供たち」
リュミエール一族の小さな子供たち(女の子2人、男の子1人)が横一列に並んで食べ物をつまんでいる。
「家族ゲーム」的な横一列での食事は明らかに演出。
「女の争い」(1896)
リュミエール社の映写技師として活躍するメスギッシュの監督デビュー作。
2人の女性が口論からつかみ合いの喧嘩になって、男性が止めに入る。
と書くとシリアスだが、掴み合いになって帽子が取れると、女性の頭が禿げている(性格には禿げのカツラをかぶっている)。
相手の女性や止めに入る男性が禿げのかつらを見て笑い、当の女性も笑って喧嘩どころではなくなる。確信はないが、禿げのかつらは事前の打ち合わせにはなかったものではないだろうか?ハゲのかつらがおもしろくて、予定の演技どころではなくなってしまったという雰囲気が感じられた。
時間を余らせて演技を終えているのも特徴。
「競馬場のルーベ氏」(1899)
ルーベ氏とは当時のフランスの大統領。
ルーベ氏らが競馬場に入ってくるシーンと、正装をした男たちが何やら話をしている様子を少し離れたところから撮影しているが、結局誰がルーベ大統領かはわからなかった。
リュミエール社の作品にしては珍しく、約1分の間に1回フレーミングの変更がある。
「皿まわし」
リュミエール兄弟の父アントワーヌの友人で奇術師の、トレウェーによるテーブル上での皿回しを撮影。
1分という制約のために、芸の途中で映画は終わる。
屋内のようなセットだが、影から屋外だとわかる。
「通りで遊ぶ子供」(1894)
通りで子供たちが遊ぶ姿を撮影。
フィルムではなく、印画紙に撮影されたもののためか、画像が粗い。
フレームに収まるように子供たちが遊んでいるところに、演出を感じる