リュミエール社作品集(4)
「船から撮影された大運河のパノラマ」(1896年12月以前)
プロミオによって撮影された世界最初期の移動撮影の1つ。
ヴェニスの運河のゴンドラにカメラを乗せて、町並みを撮影している。
「共和国広場」
パリ。共和国広場の様子を撮影。
人力車で引かれる広告、2階建てバス、彫像など当時の共和国広場の様子がよくわかる。
自分を指差し「俺、映ってるの?」といった表情を浮かべ、笑顔で去っていく男性が印象的。
「川の洗濯女たち」
ソーヌ川岸(?)。対岸から向こう岸を撮影。手前に洗濯をする女性たち、奥に走る馬車、その間で立話をしている男たちの様子が見える。
横一列に並んで洗濯をする女性たちの光景が見たことがなかったため、新鮮。男性たちが暇そうなこともあって、働き者の女性たちに対してダメ男たちといった感じがする。
「サイゴンの人夫」
数十人の人夫が、地面を馴らすローラーを引く様子を撮影。
一番初めに西洋人と思われる人物が映るためか、その光景は奴隷を見るかのように感じられた。ベトナムを植民地としていたフランスとしては当然のことだったのかもしれないが。
人夫が去った後にもフィルムの長さの関係で少し時間が余っている。その間に、また別の西洋人と思われる人物が見受けられる。
当時のベトナムの状況が伝わってくるかのようだ。
「鉄道トンネル通過」(1898)
鉄道の先頭にカメラを設置したと思われる。鉄橋から、トンネル通過、駅への到着の移動撮影。
「世界の車窓から」や「電車でGO!」といった映像や、ゲームの画面で見られる構図は今も昔も魅力を放っている。初めて見た当時の人々はなおさらのことだろう。