リュミエール社作品集(5)
「壁の取りこわし」(1896)
人気のあった作品。
オーギュスト・リュミエールの指示の元に、男たちが壁を倒す様子を撮影。
ほこりが舞う点が好評だったという。
「壁の取りこわし(ふたたび)」
「壁の取りこわし」を逆回しで上映。
人気があったのは、この逆回しバージョンとセットでのことではないのだろうか?
ほこりが好評だったのも、吸い込まれていくように見えるこちらの方では?
逆回しのこの作品が好評だったことは、映画の観客が最初期の頃から、「映画でしか見られないもの」を求めていたということの証明といえるかもしれない。
アイヌの人々の踊りを撮影。
北海道出身の私ですら見たことのない当時のアイヌの人々をフランス人が撮影した映像に複雑な思い。
「ファウスト:メフィストフェレスの出現」
舞台を撮影したという趣き。メリエスに影響されてのものか?
突如としてメフィストフェレスを登場させるためにフィルムを止めた部分がバレバレで質が高いトリックとは言えない。
「球で遊ぶ子供たち」
野外にてビー玉で遊ぶ子供たちと、それを見ている子供たちの様子を撮影。
子供たちのフレームへの収まり具合に、演出を感じる。それでも、リアリズムを感じるのは、子供たちが役者ではないからか?