リュミエール社作品集(11)
「インディオの食事」
メキシコの場末。インディオの人々が集まって坐っている様子(数人は何かを食べている)を撮影。
メキシコでのリュミエール社の代理人がインディオたちの中にいて、インディオたちにいろいろ指示を出している。しまいには、インディオの被っている帽子を上向きにして顔が映るようにしだす。この人物は、自分がフレームから外れて映っていないと思っているのだろうか?不思議だ。この時代の演出の一端が見られておもしろい。
「ジャワ島の軽業師」(1896)
ロンドンで撮影。小さなボールを使ってサッカーのリフティングのようなことをする軽業師の後ろで、なぜか彼を応援するかのような人たちを撮影。
場所といい、構図といい、演出がちゃち過ぎるように思える。
「エピナル・モーゼル川の岸」
洗濯をする女性たちの姿を撮影。
見た目ではわからないが、ナレーションによると冬らしい。
カメラの方をみないで、黙々と洗濯をする女性たちの姿と、ほとんど動きのない画面、その一方でさらさらと流れる川という構図が荘厳さを感じさせる。
「霊柩車1」(1899)
フォール大統領の壮大な葬列の様子を撮影。タイトルから取られるイメージとはかなり違う。
「御者の居眠り」
御者が眠っている間に男たちが馬を木馬に変えて逃げる。起きた御者が困るという喜劇。
眠りから覚めて、木馬に変わっていることに気づいた御者の驚きっぷりが大げさでおもしろい。