リュミエール社作品集(14)
「身づくろいする日本人女性」
髪結いを終え、手伝ってもらいながら帯を締める日本人女性の姿を撮影。
きちんと身づくろいした少女が脇にいて、カメラを気にしている。
後半、帯を締めている女性に何かを渡すポーズを取ってじっとしている少女の姿(写真と間違っているのかも)に、女性が思わず笑っている。
「プラーグの馬芸」
円を描いて走る馬に、青年たちが乗っては降り、乗っては降りを繰り返す芸を撮影。
プラハ(プラーグ)地方ならではの馬芸なのだろうか?
後ろに、現在の大統領官邸となっている歴史的な建造物が見える。
「ウィリアム・テル」
ピエロ2人が演じるコントを撮影。
銃を持ったピエロが黒人のピエロの頭にリンゴを置いて射撃をしようとするが、黒人のピエロが嫌がる。最後には業を煮やした銃を持ったピエロが、黒人のピエロに向かって発射。銃は水鉄砲でしたというオチ。
チャップリンの「サーカス」でもウィリアム・テルのリンゴのネタが扱われたいたのを考えると、ポピュラーなネタなのだろう。
「ロッキングチェア」
「ウィリアム・テル」にも登場したピエロ2人が演じるコント。
ロッキングチェアは出てこない。普通のイスを横に寝かして背の部分の上に2人が坐る。片方が立ちあがると、バランスが崩れて片方が転ぶというネタ。
余った時間は白人の方のピエロが軽業を見せる。体格には似つかわず器用。黒人の方が、ちょっと飛んでみたりするだけなのが中途半端でおもしろい。
「黒人の子供の入浴」(1897)
1897年にリヨンで開催された民族博覧会。タライの上で子供の体を洗う母親の様子を撮影。
親子の他に、画面を満たすためか数人の黒人たちがカメラの方を見つめる。その姿は、いかにも撮影のために集められ、撮影のために演技している感じがする。
当時としては、普通の感覚で撮影され、上映されたのだろうが、何だか痛々しい。