リュミエール社作品集(24)

アスファルトで舗装工事をする労働者」

 労働者たちがアスファルトを地面に塗る様子を撮影。
 ドラム缶から液体を地面に撒き、コテでならしていく。
 ドラム缶から立ち上る煙がリアリティをかもし出しているが、ナレーションによると有毒なのだという。
 リュミエール社の労働する様子のフィルムはおもしろい。今ではこれほどリアリティのある労働する様子は描けないだろう。もし、描くとしたもメインは労働それ自体になることはない。名もない人々が撮影されているからこそ、リアリティがあふれ出るのだと思う。


「荷車をひく馬」

 縦に長くつながれた多くの馬たちが荷車をひく様子を撮影。
 かなり多くの馬がつながれているので、一瞬ギャグかと思ったが違った。


「フェンシング」

 戦艦の上で、サーベルの型の練習をする水兵たちの様子を撮影。
 スポーツのフェンシングではない。
 あくまでも型の練習を2人1組で向かい合ってしている。
 随分とぬるい感じで行われており、実践的ではなくて儀式的だ。


「ピカディリー・サーカス」(1896)

 ロンドン。通りを行き交う人々の様子を撮影。
 サーカスの様子を撮影したものではない。


「潜水夫」
 潜水服を着た潜水夫が船にあがってくる様子を撮影。
 首のあたりに大きなチューブがついていて、何かと思ったら空気を送るものだという。
 画面左側でレバーをゆっくり動かしている人物がいるのだが、空気を送っているのだという。
 潜水夫が船にあがってもまだ動かしているのは、演出のためだろう。他の部分が動きが少ないための処置かもしれない。