リュミエール社作品集(26)
「シカゴ:警察隊」(1896)
警官たちが行進をする様子を撮影。
「ティエール、マクマオン、グレヴィ、カルノー、F・フォール」
1人の人物が5人の大統領に変装していく様子を撮影。
芸人の芸を撮影したものといえる。変装するたびに、名前の書かれた板が画面下に映るように差し出される。
途中で、早回しが行われているようにも感じられるが、真偽は不明。
「旗を守る」(1897)
フランスの旗を守るために押し寄せる敵兵を撃ち殺す芝居を撮影。
屋外で撮影された劇映画といえる。といっても、ストーリーといえるほどのものはないが。
屋外で撮影されているというだけで、なかなかの臨場感がある。
難を言えば、主人公の旗を守る兵士に緊迫感が欠けるところ。
ナレーションによって、後ろに見える大砲が厚紙に描かれていることを知ったが、言われなければ気づかなかったかもしれない。
また、ナレーションでは縁日の活人画にあたるものという解説がされている。
「コンスタンチノープル:ボスフォラスの岸のパノラマ」
移動する船の上から港とその向こうに見える街並みを撮影。
「王宮に向かうカンボジア国王」
プノンペンの王宮で、馬に乗ったカンボジア国王と護衛たちの行進の様子を撮影。
画面左奥からやってきて、丁度画面中央を斜めに横切っていくという計算された構図で撮影されている。
画面右奥のひざまづいて行進を見送る数人の人々も計算されて配置されているように見える。