リュミエール社作品集(28)

「ソーヌ川での水浴」(1897)

 川に飛び込む男子学生たちの様子を撮影。


「ニコライ2世の戴冠式」(1896)

 着飾ったニコライ2世らが階段を降りていく様子を撮影。
 カメラの位置が遠く、画面も粗いために、服装などの詳細まではわからない。
 公式式典を近くで撮る許可は下りなかったのだろう。
 ナレーションによると、この作品はリュミエール社が初めて撮影した公式式典とのこと。


「水をかけられた撒水夫」

 水をやっているホースを足で踏み、離すことホースを覗きこんでいた男の顔に勢いよく水がかかる様子を撮影。
 有名な作品。コントなどでもよく見られる。
 画面左に水を撒いている男、右にホースを踏む少年という考えられた構図。少年のお尻をペンペン叩くときも画面中央でよく映るようにわざわざ引っ張ってきている。
 ナレーションによると水を撒いている人物が後年に「あれは演技ではなかった」と語っていたというが、明らかに芝居だろう。
 偶然なら、カメラを回してちょうど1分でしっくり収まるわけがない。


「シネマトグラフの上映館の入り口」

  オーストリア。上映館とその前の通りの様子を撮影。


「ナモ村落:駕籠から撮影されたパノラマ」(1900)

 インドシナ。駕籠に乗り、後ろに下がりながら、追いかけてくる子供たちなどを撮影。
 初めてのトラックバック撮影という説明がナレーションでなされている。
 撮影の興味深さからか、子供たちが追いかけてくる。その様子、子供たちの表情が他の作品と比べて自然に見えた。演出されたものではないように思える。
 男の子の局部が映っていることからも演出ではないことが伺える。