リュミエール社作品集(29)

「消防隊の出発」

 馬車に乗った消防隊が訓練で通りを走っていく様子を撮影。
 2つのシーンが編集でつながっている。1本だけだと、あっという間に消防隊が通りすぎていってしまい、後は通りを映すだけになってしまうからだろうか?
 この作品は連作で消防隊の活躍を描いたものと読んだ記憶があるのだが、違う作品だろうか?


動く歩道の光景」(1900)

 パリ万博の会場内の移動を容易にするための動く歩道で移動する人々の様子を撮影。
 現在でも見ることができる動く歩道。現在のように手すりがあるわけではなく、ただ動くだけの板の上に乗って移動していく人々の様子はどこか滑稽にも見える。


「赤ん坊の食事」

 赤ん坊に食事をさせる両親の様子を撮影。
 父親はアントワーヌ。風が強い日らしく、後ろに見える木々や赤ん坊のよだれかけが風になびく。その様子が当時の観客の心を捉えたとナレーションでは語られている。


「ミラノ:ディアナの水浴」

 プールで飛び込み台から飛び込む人々の様子を撮影。
 勢いよく飛びこむ様子は、動きが激しくおもしろい。


「ルーベ大統領リヨンへ」(1900)

 ルーベ大統領が馬車でやってきて、勲章を授与し、建物から出る様子を撮影。
 3つのシーンが編集でつながれている。ナレーションによると、複数のショットがつながれた唯一のリュミエール社の作品ということ。
 3つのシーンは一連ではないと思われる(建物にやってきて、建物の中で勲章を授与し、その建物から外に出るという一連の流れに沿った編集ではない)。