リュミエール社作品集(31)

「日本の舞踏3:人力車にのった芸者」

 人力車がやってきて芸者を乗せて去っていく様子を撮影。
 その視点が、さながら芸者と政治家の関係をスクープした写真のように感じられるのはなぜだろうか?カメラが置かれた場所が、スクープを狙うカメラマンと同じ場所だからだろうか?
 チラチラとカメラを伺う番頭のような人物の疑い深い目も、カメラが盗み撮りしているのにうっすら気づいているような雰囲気を漂わせている。


「少女と猫」

 猫にエサをやる少女の様子を撮影。
 かなり近距離で撮影されており、少女の表情や猫の動きがよく分かる。


「パリの軍人クラブにおけるマルシャン司令官」(1899)

 マルシャン司令官を出迎える多くの人々の様子を撮影。
 幾分早回し気味で撮影されている。結局、マルシャン司令官が誰かはわからなかった。


「ブルックリン:フルトン・ストリート」(1896)

 路面電車が走る様子を撮影。
 いつでも自由に乗り降りできるため、ゆっくりと走っている。今のように車道と線路と歩道がはっきりと分かれていないため、今よりも全体的にゆったりとした雰囲気が感じられる。


闘牛士の入場」(1898)

 スペイン。闘牛士たちが馬に乗って入場してくる様子を撮影。
 闘牛自体ではなく、牛も出てこない。
 だが、ナレーションによると、翌日の新聞に「これで私たちの誇りである闘牛が世界中の人々に見てもらうことが出来る」と載ったらしい。