リュミエール社作品集(32)
「牛舎の内部」(1900)
パリ万博のスイス村。乳絞りをする様子と、それに茶々を入れる男の様子を撮影。
練られた演出が垣間見える。茶々を入れる男が、牛から飛び出た牛乳を顔に浴びたり、コップに注がれた牛乳をうまく飲めずにこぼしたりという様子がわざとらしい。
「リヨン:観光船の下船」
船から桟橋を渡って降りてくる人々の様子を撮影。
ほぼ正面から撮影しているため、人々はみんなカメラに気づき、視線を向ける。中には帽子を取って大きく振る人までいる。
「ニース:ボーリュー・モナコ間の汽車のパノラマ」
先頭すぐ後ろの石炭を積む車両から斜め前に向けたカメラで撮影。
煙を吐く煙突がすぐ前にあり、まわりがよく見えない。対向車両とすれ違うときは、向こうの煙を重なってなおさら見えない。とはいえ、吐き出されたばかりの煙が迫力を生み出しているという点もある。
「ブダペスト:国王の行列」(1896)
豪華な馬車に乗った行列の様子を撮影。
この作品に限らず、式典を撮影したものはあまりおもしろくない。
特に行列はよほど珍奇なもの以外はつまらない。式典のため動きはゆっくりとしているし、映画のための演出も加えにくかったからではないだろうか?
「牛市場1」(1897)
小屋から出てきた牛が一列にされて移動する様子を撮影。