リュミエール社作品集(51)
「水をかけられたカード遊びをする人」
コント。カード遊びをしている2人の男が喧嘩になり、近くで水を撒いている男が止めるために水をかける。すると、喧嘩をしていたうちの1人がホースを奪ってもう1人の男に水をかけようとし、水を撒いていた男も喧嘩に巻き込まれる。
巻き込まれる男が悲劇的でおもしろい。しかも、巻き込まれる男は、通り掛かりの男に水をかけるようにそそのかされ、そそのかした男はいつの間にやらどこかにいなくなっているから、悲劇さに拍車をかける。
「男たちのダンス」
黒人の男性がダンスをして、回りの人々がはやし立てる様子を撮影。
ナレーションによると、民族博覧会での様子だという。
後ろから覗き込んでいる白人男性や、後ろに立ち並ぶ西洋風の建物からも、西洋に連れてこられた人々であることがわかる。
「霊柩車」(1901)
イギリス。ビクトリア女王の葬列の様子を撮影。
前に見た戴冠式と同じように、馬に乗った行列とそれを見守る多くの人々という構成なのだが、こちらは荘厳な雰囲気が、戴冠式は華やかな雰囲気が感じられる。これが、映像の力というものなのだろう。
「カーニヴァル王とレモネード会社の山車」(1900)
ニース。祭りの山車行列の様子を2階の高さから撮影。
前に見た作品にも出てきた「カーニヴァル王」だが、今回もどれがカーニヴァル王なのかわからなかった。また、どれがレモネード会社の山車なのかもわからなかった。
2階の高さからほどよい距離で撮影されており、フィルムの状況もよいため、非常に見やすい作品だった。
「蒸気船の到着」(1896)
港に蒸気船が到着する様子を撮影。
何も映っていない港の左側から蒸気船がやってきて、右側に通過していく。1分という時間にぴったりと収まったタイミングが見事。