リュミエール社作品集(52)

「自転車乗り」(1897)

 リヨン。自転車の曲乗りの様子を撮影。
 芸ではなく、通りの街並みの風景として撮影されている。
 そのために、大きな通りがずーっと画面奥の方まで伸びているのが見える。あまりにもずーっと地平線が見えるまで続いている通りの方に私の目は向いてしまった。曲乗りをしている人には失礼だが。


「虎」(1896)

 ロンドン動物園。オリの外からエサのついた棒に飛びつこうとする虎の様子を撮影。
 なかなか迫力があるのは、比較的虎に近い位置から撮影されているからと、虎が画面に向かって手を伸ばすような構図になっているからだろう。
 エサを画面外の見えないところにぶら下げたらもっと迫力が出たかもしれない。


「変化する帽子」(1896)

 1枚の布切れを様々な帽子の形にして見せる芸を撮影。
 演じているのは、兄弟の父アントワーヌの友人で奇術師のトレウェー。
 芸自体がなかなかおもしろい。帽子を被った人(中国人、警官など)の顔つきまで真似している。


「独立の鐘の輸送」(1896)

 メキシコ。独立記念の鐘のパレードとそれを見守る観衆の様子を撮影。
 観衆たちの多くが、メキシコといわれてイメージする帽子を被っている。当たり前といえば当たり前だが、映像で見せられるとなんとなく説得力が違う。


シャンゼリゼ」(1896)

 シャンゼリゼ通りを行き交う馬車や人々、脇の公園でたたずむ親子の様子を撮影。