リュミエール社作品集 まとめ(6)

 世界各地を撮影したフィルムを見ると、映像の持つメディアとしての役割の大きさを感じることが出来る。「百聞は一見にしかず」ということわざが正しいことがわかるだろう。映画が物語を語るものとして発展していった後も、世界各地でロケをして珍しい光景を収めた作品は多々登場する。このことからも、たとえ映画の魅力のメインが物語を語ることに変わっても、映像の持つ「百聞は一見にしかず」の力は生きていることを証明している。現在では、その役割はテレビに持っていかれている面もあるが、それは映画からテレビに変わっただけの話で、映像の持つ力自体は変わっていない。

 世界各地を撮影したフィルムが演出を施された後が見られることはおもしろい。現在でもやらせなどの問題は大きく取り上げられるが、多かれ少なかれ映像が誕生した当時からやらせと言える演出は行われていた。やらせや演出自体は映像にとって不可避であり(カメラを対象物に向けた時点で自然ではなくなる。隠し撮りを除いて)、問題はどこまで行うかなのではないかと私は思う。