トーキーへの挑戦

 この頃、様々な会社や技術者がトーキー映画を実現させようという努力を行っていた。だが、その努力は実らなかった。現在のようにフィルムに光学的な音声情報を記録するという方法ではなく、蓄音機と同調させるという方法をとっていたために、同調の部分でなかなかうまくいかなかった。また、記録された音声の質もよいとは言えず、増幅させて広い場内全体に聞こえるようにする方法もまだ未熟だった。しかし、音と映像を合致させたいという人間の欲望が映画初期から存在し、後の光学的なトーキーシステムへとつながっていったということはいえるだろう。