その他の国の映画製作(1907)

 フィンランドでは、1906年に映画製作会社のアテリエ・アポロ社を設立したカール・エーミル・ストールベルイが、シナリオ公募コンテストを開催している。当選作の「酒密造人」(1907)はフィンランド初の劇映画と言われている。20分弱の短編で、ストールベルイが所有する世界一周劇場で公開された。当選者はスウェーデン人のテウヴォ・プロで「酒密造人」の助監督兼主演も務めた。プロはフィンランド国立劇場所属俳優で、以後半世紀にわたり映画界で活躍していくことになる。

 また、1907年の春にはスウェーデン人のダーヴィッド・フェルナンデルノルウェー人ラスムス・ハルセトが共同で北欧映画社(PBK)を設立している。この会社は、1907年から1916年までに49本の映画を製作したという。

 スウェーデンでは、1905年に設立されたクリスティアンスターズ・ビオグラーフ=テアテルン社が、1907年に設立されたスヴェンスカ・ビオグラーフテアテルン社に吸収されている。