ジョルジュ・メリエス作品集(6)

「音楽狂」(1903年)
 原題「LE MELOMANE」 英語題「THE MELOMANIAC」

 音楽の先生が電信柱から張り巡らされた5本の電線を発見。自分の頭を電線に投げて音符にする。ゴッド・セイヴ・ザ・キング(国王陛下万歳)の歌曲で構成されているという。

 メリエスの映画では首が取れるというトリックを使った作品多い。人間にとって、他の部分よりも大事な場所であり、より見世物として興味をひかれることを知っての上でだろう(腕や足がなくなっても人は生きていけるが、首が取れては生きていけない)。メリエスに限らず、このころの作品にはトリックを使って斬首を描いた作品が多いのも同じ理由だろう。

 この作品は首を投げて、その首が音符になるという発想が斬新。「幾つもの頭を持つ男」もそうだが、やっぱり音符が出来上がると首は歌いだす。このプラスのアイデアがメリエスの作品を楽しいものにしていることは言うまでもないだろう。

 上映時間はたった2分。だが、エンタテインメント性に富んだ豊かな2分だ。


私が見たメリエスの映画が見られるDVD・ビデオ
「THE MOVIE BEGIN」(アメリカで発売されているDVD)
「フランス映画の誕生」(ジュネス企画
本「死ぬまでに見たい映画1001本」の付録
死ぬまでに観たい映画1001本