ジョルジュ・メリエス作品集(14)
「The Wonderful Living Fan」(1904)
巨大な扇が開き、合図によって女性へと変わる。
メリエスが得意としたストップモーションを使ったトリックが使われた作品。女性を前面に出すことでセックス・アピールを生み出している。もちろん、当時の基準での話だが。
この頃のメリエスの作品は、旧来から使用しているトリックを様々なアイデアを駆使して使いこなそうと苦心している様子が伺える。しかし、なかなかうまくはいっていない。手を変え品を変えても、基本的なトリックの焼き直しに過ぎないように思えてくる。メリエスの作品を連続してみていると、それを痛感する。
「The Mermaid」(1904)
帽子に水を入れて、釣り糸を垂らすと魚が釣れる。釣った魚を入れた水槽がアップになると、そこにはマーメイドが。マーメイドは人間となり、大きなソファに座る。
ストップモーションを使ったトリックと、水槽をカメラに近づけることでアップの効果を出すというトリックが使われている。
幻想的な内容の作品で、トリックとマーメイドという架空の生物がマッチしているが、いつものメリエスという感も否めない。
私が見たメリエスの映画が見られるDVD・ビデオ
「THE MOVIE BEGIN」(アメリカで発売されているDVD)
「フランス映画の誕生」(ジュネス企画)
本「死ぬまでに見たい映画1001本」の付録