ジョルジュ・メリエス−映画を見世物に向かわせた男(7)

 トリックにこだわったメリエスが、「物語を語る」という映画の持つもう1つの可能性と融合した作品。それが「月世界旅行」(1902)である。だからこそ、「月世界旅行」は、当時の人々に受けたのだ。一般的に言われているような「世界最初の物語映画」だからでは決してない。実際、「月世界旅行」の前にも、物語を紡いだ映画はすでに上映されていたという。

 メリエスは「月世界旅行」で己の目指す映画を完成させる。ここまでならば、ハッピー・エンドだ。だが、世の中はそうはいかない。メリエスの人生はまだ続く。


私が見たメリエスの映画が見られるDVD・ビデオ
「THE MOVIE BEGIN」(アメリカで発売されているDVD)
「フランス映画の誕生」(ジュネス企画
本「死ぬまでに見たい映画1001本」の付録
死ぬまでに観たい映画1001本