MPPC側の映画製作

 MPPC側では、ルービン社はメロドラマ、劇、喜劇などを製作していた。シーリグ社は猛獣映画製作のために、この年の夏に、100頭以上の動物を擁する自前の動物園を設立している(ほとんどがライオンだった)。エジソン社では、1911年から12年にかけて、南北戦争を題材とした映画を製作し、人気を得ていた。しかし、MPPC側を引っ張っていたのはヴァイタグラフ社とバイオグラフ社の2社だった。

 ヴァイタグラフ社はこの年、「二都物語」(1911)を製作している。チャールズ・ディケンズの小説を映画化したこの作品は、興行的に成功を収めた。また、労働者の闘争についての映画、「スト破りは卑怯者に非ず」(1911)も製作されている。

 バイオグラフ社では、D・W・グリフィスの活躍が続いていた。


(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。