失敗に終わったジョルジュ・メリエスの復活

 トリック映画、夢幻劇で1900年代の前半には頂点を極めたジョルジュ・メリエスは、この頃には映画製作をほとんど行っていないに等しい状態だった。そんなメリエスに、パテ社が映画製作を依頼する。当時、人気を得ていた喜劇スターであったマックス・ランデーが急病で倒れ、その穴埋め作品として、メリエスに依頼があったという。

 援助によって「ミュンヒハウゼン男爵の幻覚」「悪魔のガラス窓」(1911)をこの年製作しているが、成功を収めることは出来なかった。


 
(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。