その他の国の状況

 中国においては、1909年にアメリカ人の手で設立された映画製作会社である亜細亜影戯公司が、この年勃発した辛亥革命の影響で経営に失敗、アメリカ資本の生命保険会社である上海南洋人寿保険公司に売却されている。このとき同社の顧問に就任したチャン・シーチュアンが中国映画を本格的に誕生させたと言われている。

 スペインでは、フランクトゥオッソ・ヘラベルトがアルハンブラ・フィルムスで製作した劇映画「相続争い」(1911)などが作られている。

 ポーランドでは、古典文学の映画化が盛んだった。主な作品に、アレクサンドル・ヘルツ監督の、エリザ・オルゼシコワ原作「メイル・エゾフォヴィッチ」(1911)などがある。

 ハンガリーでは、フランスやアメリカなどの外国映画が上映されており、ブダペストだけでも100軒を越す輸入映画の上映劇場が興行を行っていたという。そんな中、最初の常設スタジオを持つ映画会社が1911年に創設された。