エジソン社の作品 1893−1894(4)
リュミエール兄弟の作品もそうだが、当初は移動撮影を行うという発想自体がなかった。特に、エジソン社のカメラであるキネトグラフは重く、移動撮影を行うことはできなかった。そのため、撮影の対象が、カメラの撮影範囲を超えても、そのまま特に何もないというシーンが映し出されることがしばしばある。下記に紹介する作品では「BUCKING BRONCHO」がそうだ。
「GLENROY BROS」(1894)
2人の男性によるヴォードヴィルの出し物としてのボクシングの試合の様子を撮影。突然側転をしたり、裏拳で殴ったりする。
「LOUIS MARTINETTI」(1894)
吊り輪を使った曲芸の様子を撮影。柔らかい体を活かした曲芸。
「BUCKING BRONCHO」(1894)
ロデオの様子を撮影。ワイルド・ウェスト・ショーに所属していた男性が馬に乗っているという。ロケ撮影されているため、半分くらいは画面に肝心の馬が映っていない。
「ANNIE OAKLEY」(1984)
銃で早撃ちをする女性の様子を撮影。この女性もワイルド・ウェスト・ショーに所属していたという。
よく見ると当たってないと思われるものがかなりあるように思える。
「IMPERIAL JAPANESE DANCE」(1894)
和装で舞を踊る3人の日本人女性の様子を撮影。
「中国人洗濯屋での口論(ROBETTA AND DORETTO)」(1894)
タイトルとはほとんど関係なく、忍者屋敷に出てくるような回転する戸を使った、警官と男性の2人によるちょっとしたドタバタ。展開がある。
ヴォードヴィルの出し物で3作品でワンセットらしいが、このフィルムしか残っていないらしい。
「BAND DRILL」(1894)
10人弱の管楽器のバンドと指揮者が演奏をする様子を撮影。
「FIRE RESCUE SCENE」(1894)
火事の建物にはしごをかけ、脱出してくる人々に手を貸す消防隊の様子を撮影。充満した煙がリアリティを感じさせるが、背景が真っ黒なことからスタジオ内で撮影されたものと思われる。
「LEONARD-CUSHING FIGHT」(1894)
ボクシングの試合の様子を撮影。セコンドや観客らしき人物を配して、リアリティを出そうとしている。
(DVD紹介)
Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]
- 出版社/メーカー: Kino Lorber films
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (67件) を見る
映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。
注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。