エジソン社の作品 1896年(2)

 エジソン社の初期の作品の多くは、ブラック・マリアと呼ばれた撮影所内で撮られたものが多かったが、この頃になるとロケ撮影も行われるようになってくる。「MESS CALL」はそんなエジソン社初期のロケ撮影にとって撮られた作品である。


FATIMA, MUSCLE DANCER」(1896)

 書き割りの背景を前に、胸と腰を振って踊る女性を撮影。
 胸と腰を振る様子が、他のダンスを撮影した作品よりも、セックス・アピールの強い作品といえる。
 このダンスは有名で、当時スキャンダルにもなり、上演が禁止されたりもしたという。
 また、この作品は少し長めだ。これまでの作品が20秒程度だったのに対して、1分程度の作品となっている。


「MESS CALL」(1896)

 軍隊の食事の時間の様子を撮影。
 ロケ撮影されている。兵士たちが、物珍しそうにカメラのほうを見ている。


「INVENTOR EDISON SKETCHED BY WORLD ARTIST」(1896)

 1人の男性が、大きな紙にエジソンの絵を描く様子を撮影。
 この男性はスチュアート・ブラックトンといい、当時著名な風刺画家だった。この作品は評判を呼び、映画に関心を抱いたブラックトンは、1897年にヴァイタグラフ社を設立して映画製作を始めることになる。



(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

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映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。